看護師は患者さんに寄り添ったやりがいのある仕事ですよね。
一方で職場の人間関係でトラブルがあったり夜勤があったりと、肉体的にも精神的にも大変な場面もあります。
また、休みが不定期なためプライベートとの両立が難しく、友達や家族と予定が合わないと悩みを抱えている方も多いです。
そのため看護師として働く方の中には非常勤看護師への転職を検討されている方もいるのではないでしょうか。
本記事では非常勤看護師としての働き方からメリット・デメリット、そして転職先まで解説していきます。
常勤看護師と非常勤看護師との違いとは?
常勤看護師と非常勤看護師の最大の違いは勤務時間です。
常勤看護師の勤務時間は1週間で最大40時間に対し、非常勤は1週間で40時間未満。
1週間で5日間勤務した場合、1日8時間働くと1週間の労働時間は40時間です。
正職員やパート・アルバイトなど雇用形態に関わらず、1週間で40時間働く看護師は常勤看護師と区分されます。
反対に1週間の労働時間が40時間を満たない場合は、非常勤看護師と区分されます。
働く時間が違うと仕事内容や給料など待遇面ではどのような違いがあるのでしょうか。
仕事内容は大きく変わらない
常勤看護師も非常勤看護師も仕事内容に変わりはありません。
もちろん勤務先によって異なりますが、非常勤看護師の仕事内容は診療の補助や患者さんのケアなど常勤看護師と同様です。
しかし、夜勤の有無や特定の時間帯のみ働くなど勤務時間に偏りがある場合は、仕事内容が変わる可能性もあります。
また、病棟勤務からクリニックへ転職するなど職場の種類を変えるときは常勤・非常勤に関わらず仕事内容が変わります。
勤務時間は自由に選択できる
非常勤看護師は自分で働く日数や時間の調節ができます。
例えば「夜勤のみの勤務で収入を増やしたい」「週に2日のペースで働きたい」など自分のペースで働くことも可能です。
しかし、最終的な交渉は病院との交渉次第になりますので、必ずしも希望のとおり働けるとは限りません。
自分の希望にあった求人を探すか転職前に事前に応募先へ確認しておくとよいでしょう。
自分で交渉したくないという方は転職エージェントに交渉してもらうのも一つの方法です。
常勤看護師よりも給料は少ない
非常勤看護師は常勤看護師に比べて勤務時間が少ないため給料も少ないです。
非常勤看護師は時給制か日給制が多く、月給制に比べると1時間あたりの給料が低い傾向にあります。
非常勤で働きながら給料を下げたくない方は、夜勤をメインとした勤務がオススメです。
給料の他にも常勤看護師は年間数か月分のボーナスや3年以上勤務した場合に退職金が支給されます。
しかし、非常勤看護師の場合はどちらも支給されない場合が多いです。
非常勤看護師として長期的に働きたい方は、ご注意ください。
福利厚生が受けられる場合もある
福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生があります。
法定福利厚生は法律によって義務付けられた福利厚生で、全ての病院が導入しなければなりません。
具体的には健康保険や介護保険、年金や雇用・労災保険などがあります。
しかし、労働時間・日数が基準を満たさないと加入できないものもありますので事前の確認が必要です。
法定外福利厚生は法的義務がなく、職員が働きやすい環境を整備するために病院ごとによって定められています。
例えば住宅手当や交通費、家族手当があります。
法定外福利厚生は病院によって様々なものがありますので、詳細は求人情報をご覧ください
非常勤看護師のメリット3選
先述したとおり非常勤看護師は常勤看護師と比べ勤務形態の自由度が高い反面、待遇面では不利です。
もちろん働く理由は人によって様々で一概に、給料が良い=良い職場とは言えません。
実際に、非常勤看護師として働く方の多くは、給料よりも時間や気持ちにゆとりを持った働き方を優先しています。
具体的にはどのように、時間や気持ちにゆとりをもった働き方をしているのでしょうか。
非常勤看護師のメリットと併せて紹介していきます。
仕事とプライベートの両立ができる
非常勤看護師の最大のメリットはプライベートが充実できることです。
勤務時間・日数が自分で調整でき、働く時間も短いためプライベートの時間が確保しやすいです。
これまで「仕事があるから」と断ってきた友達との予定や家族と過ごす時間。
非常勤看護師なら予定の調整がしやすくプライベートも満喫できるでしょう。
仕事終わりに友達とご飯に行くなど、一般企業に働く方とも予定を合わせやすいです。
プレッシャーが少ない
常勤看護師と非常勤看護師では仕事内容に違いはありません。
しかし、非常勤看護師は常勤看護師と比べ責任の重い仕事を任せられる機会が少ないです。
例えば、重症患者の対応は看護師の仕事の中でも特に注意が必要で、急な対応が求められることもあります。
そのため決まった時間内で働く非常勤看護師より、勤務時間に融通が利く常勤看護師の方が流動的な対応をしやすいです。
重症患者の対応は看護師としての「やりがい」でもありますが、人によっては責任が重くプレッシャーを感じてしまいますよね。
非常勤看護師は責任が重たい仕事が少ないため、プレッシャーを感じる機会も少ないでしょう。
人間関係のトラブルに巻き込まれにくい
看護師の職場は人間関係のトラブルで悩んでいる方も多いでしょう。
精神的にも肉体的にもハードな環境でストレスが溜まり、ちょっとしたことで対人トラブルが起きてしまうことも。
どの職場でも対人トラブルが起こる可能性があるため、トラブルが起きない環境を求めるのは難しいです。
しかし、非常勤看護師なら人間関係のトラブルに巻き込まれる可能性は少ないです。
非常勤看護師は働く時間が短いこともあり、職場の人たちと適度な距離感を保ちやすいメリットがあります。
そのため人間関係で悩むことも少ないでしょう。
非常勤看護師のデメリット2選
非常勤看護師は常勤看護師と比較して給料が少なく、求人数も少ないといったデメリットがあります。
非常勤看護師のように勤務時間など働き方を限定すると給料や求人数で不利です。
他にはどういったデメリットがあるのでしょうか。
紹介する非常勤看護師のデメリットは以下の2つです。
- 社会保険に加入できない場合もある
- キャリアアップがしにくい
転職後に後悔しないためにも、しっかりと確認していきましょう。
社会保険に加入できない場合もある
非常勤看護師は、労働時間・日数によって社会保険に加入できない場合があります。
社会保険は以下の条件のどちらも満たした場合に加入できます。
- 1週間の勤務時間が常勤看護師の3/4以上
- 1か月の勤務日数が常勤看護師の3/4以上
上記の基準を満たした場合は介護保険や国民年金にも加入できます。
法定福利厚生を受けるのと受けないのでは個人の負担額が大きく変わるため、病院にも負担してもらえると助かりますよね。
どのくらいの時間働くか迷っている方は、一つの目安として活用してください。
キャリアアップがしにくい
先ほど非常勤看護師のメリットとして「責任が少ない」と紹介しましたが、一方で難しい仕事が任せられないということでもあります。
看護師としてのスキルを磨くのに時間が掛かり、常勤看護師と比べるとスキルアップしにくいです。
そのため非常勤看護師には昇進や昇格がなくキャリアアップも難しいといったデメリットもあります。
将来的に管理職を目指している方や最先端の現場で働きたい方は、転職する前に慎重にご検討ください。
場合によっては今後の転職で非常勤看護師として働いた経験が不利になるケースもあります。
今後の将来ビジョンも含めて考えてみてください。
非常勤看護師に向いている人はどんな人?
上記に記載した内容で非常勤看護師の働き方について、具体的にイメージも沸いてきたことでしょう。
しかし、実際に転職するには「自分にあった働き方なのかな」と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
非常勤看護師として職場に馴染めるかなど色々と不安がありますよね。
非常勤看護師の特徴を踏まえたうえで、どんな人が向いているか紹介していきます。
育児や介護と両立したい人
常勤看護師と比べると決まった時間で帰れることが多く、私生活の優先度が高い方も安心です。
子供の送り迎えや食事の用意など家庭の用事も両立できます。
病院側も非常勤看護師として募集しているため、育児や介護などプライベートの時間にも理解があります。
しかし場合によっては残業を求められることもあるでしょう。
どうしても残業できない場合は転職前に病院側に伝えておくとトラブルも回避できます。
ブランク明けで働きたい人
育児休養など一旦、看護の現場から離れていた方はいきなり常勤看護として働くのは不安ですよね。
徐々に看護の現場に慣れていきたい方は、非常勤看護師がオススメです。
時間も自由に調整できるため最初は短い勤務時間から始めて、慣れていったら勤務時間を延ばしていく。
といったブランク明けから常勤看護師までのステップとしても活用できます。
非常勤看護師は雇用期間が決まっている場合もありますので、常勤看護師より柔軟な働き方が可能です。
非常勤看護師の転職先とは?
では実際に非常勤看護師として働く際は、どういった職場があるのでしょうか。
非常勤看護師は勤務形態の関係から重症患者の対応や医療の最先端の現場で働ける機会は非常に少ないです。
また、常勤看護師と比較すると求人件数も少ない傾向にあります。
しかし、常勤看護師と同様に一般的な病院やクリニックなど幅広い求人もありますので、安心してください。
数ある求人の中でも、特に非常看護師の求人が多い職場は以下のとおりです。
- 大学病院の外来
- クリニック
- 老人ホームや介護施設
- 健診センター
上記の他にも一般病棟や訪問看護などでも求人がありますので、検索してみてください。
非常勤看護師への転職を検討している方へ
非常勤看護について紹介してきましたが、いかがでしょうか。
非常勤看護師は自分のペースにあった働き方ができるため、私生活を優先したい方には特にオススメです。
一方で給料が低いなど待遇面で不利なこともあります。
非常勤看護師といっても、常勤看護師に近い働き方から週2日短時間で働くなど幅広い働き方があります。
転職で一番大切なことは自分にあった働き方を見つけることです。
転職する前に慎重に検討してみてください!
最後まで記事をご覧いただきありがとうございます。